里美遠征記(2002.2.9-11)
By K
2月9日 朝10時ころ、Mさんから電話で起床。「里美に行くけどどうします?11時までには染井野を出たい」との内容。
昨晩は社用でしこたま飲み、帰りは午前様だったのでボーっとした頭で「さ・と・み、 ん?なんだっけ?」、しばらくして『里美行き』のことだ。 わーっ、何にも準備してないよ!
 
「先に行ってください!Oさんを乗せて後から追っかけます。」ってなことで、出発は13時30分。 到着は17時。陽のあるうちに着いたなんて、すごい!
第3駐車場は後2台分くらいしか留めるところがなく、ぎりぎりセーフ。
風が強く、気温が低い。すでにマイナス。
早速、明るいうちに器材のセットをと準備開始。設定の完了18時過ぎ。
ここで、忘れ物発見。STVの電源コードが無い!土星食の時の器材ケースに置き忘れ。
肝心のガイドができないよー。・・・・・・・・・・・
 気温の低さで頭の回転も良い。結露防止のヒーター用コードを転用し工作開始。
10分で完了。電源BOXに差込み、テスト運転開始。
STVの画像が出た!やったあ!成功! これで2日間はOKだと思う。
次に、極軸あわせ。暗視野のスイッチを入れる。視野内のリングが赤く浮かび上がる。
あっ!、思い出した。ファインダーの暗視野装置のボタン電池を買ってなかった。どうしよう!
これも、気温の低さで頭の回転が良い。極軸用をファインダー用に移し変え。
うんうん、これでよし。
池谷・張彗星はどこかな?パソコンで導入してみよう。あれ?接続できたけれども同期しないよ! 何回やっても同じ。 わー馬鹿だなあ。年末年始のパソコンクラッシュの時に、TENMMA−PC用のドライバーをダウンロードしてなかった。・・・・・・・・これは自動導入はあきらめないと。
 
さて、彗星はあきらめて、h−X2重星団を撮ろう!
BRCのピント合わせがうまくいかない。あまりの寒さに指の先の感覚がない。なんとかこなした。多分ピントは合っているだろう。次にオートガイドの設定。
STVのキャリブレーションをやっとの思いで終了。トラッキング開始。カチッ・カチッ・カチッとリレーの音が。やった!
でも、風が強いせいか、STVにグラフ表示されるガイド状態を見ると振幅が大きい。
21時撮影開始。22時までの1時間露出の予定。車の中で寝る。
 
とんとん車の窓をたたく音で目が覚める。誰じゃ!黒装束の怪しげな人影。
暗がりで良く分からない。・・・「Sです。・・・・・」、 「・・・・しゅどう?・・・・わーっ!Sさん?」、「どこからきたの? 東海PAで電話があったきり来ないからどうしたのかと」、聞けば、海よりを高萩に向かい、高萩から里美に来たとのこと。えらく遠回りをしたんだなあ。
・・・・・おーっと、露出は1時間20分になったぜ。
そういえば、フィルムはFuji・NHGU800 
物忘れのその後。フィルム吸引を忘れていた。
M42を狙うつもりがピント合わせ、ガイド・キャリブレーションに手間取り、この間に北から筋雲らしきものが空を覆ってきて、撮影を断念。
近くの人と懇談。君津の人達が男女10数名で来ているとのこと。
しばらくして、染井野「星の会」の恒例で、またまた宴会の開始!
Mさんのコールマンでお湯を沸かすが、低温と風のため沸騰までに時間がかかる。Sさんのホワイトガソリンのポンプ式のバーナー(品名がわからないよ)でトライすると短時間で沸く。
Sさんによれば、これまでさまざまな器具に挑戦したがこれが一番とのこと。
さすが、ベテランだけあって観測後の用品にまでこだわりが感じられる。夜食、コーヒー、ほっとウィスキーをご馳走になって、暖まったところで「しあわせ〜っ!」……就寝。
 
2月10日、6時ころもそもそ起き出す。空は一面の雲。少し雪が舞ったようだ。
Mさんは今日帰るとのこと。撤収作業を開始した。
天気予報によると今晩はまた晴れるらしい。昨晩の1枚のみの撮影では大不満足。
Oさんも、2日目に挑戦することにして、下界に買出しに行くことで話がまとまった。
ついでに、矢祭町が近いので温泉にも浸かることで一致。Sさんも加わることに。
残念ながらMさん、Oさんは直接帰宅するとのこと。9時過ぎに出発し、途中、水戸方面と福島方面の分岐でお別れ。我々は峠を越えて福島県矢祭町へ向かう。10時少し前に、「ユーパル矢祭」に到着。

最近はやりのクアハウスのような施設で、中はお土産コーナー宿泊棟、休憩用の大広間と浴室(露天風呂付)がある。
10時前からおじいさん、おばあさんの集団が長い行列を作って、開場を待っている。
10時の開場と同時に受付に殺到すると思ったら、大広間の席取りに走って行くのだった。
我々は受付で、今月限りの半額サービスで500円とタオル代200円を支払い浴室へ。
大浴場には水風呂・ジャグジー風呂・電気風呂、それと大きな普通の風呂があって、外に出るとこじんまりとした露天風呂がある。
早速、震えながら露天風呂に入ると中は丁度いい湯加減。頭がスーッとして心地良い。
うっふっふ。いい湯加減じゃ。しあわせじゃのう。

風呂から上がり大広間にテーブルを用意してもらってコーラを飲んだり、お茶を飲んだりしているうちに………「16番テーブルさん! カラオケが入りましたあ。」とのアナウンス。
おばさんがやや緊張気味に演歌を歌い始める。このころ、Mさんの車に乗ってるOさんに、この雰囲気を伝えようと電話するが、歌声や、拍手の音は伝わっていないようだ。
演歌を聴きながら、Sさん曰く「Iさんはカラオケではマイクを握ったら離さない。カラオケ大好きですよ」。
では次回の星の会の集会会場はカラオケルームかな!!
次におじさんが歌ったところで我々は退場。

受付で買い物のスーパー(田舎だけどスーパーですよ。スーパー)と、おいしい蕎麦屋を聞いて「ユーパル矢祭」をあとにした。
スーパーで買出しの後、通りからかなり入った地元の人しか分からないような蕎麦処「田川」に入る。
客は我々だけ。ざる蕎麦の大盛り食べたが、おやじの手打ち蕎麦で結構腰があっておいしい。難をあえて言えば、少々つなぎが多いことくらいかな。
里美で観測の後の風呂と蕎麦の拠点が出来たと一同大喜び。(私だけかも)

食事の後、Sさんは染井野のI家に向かうため、お別れ。Oさんと二人だけになった。
途中、携帯電話の通信が可能なので、タカハシのTEMMA-PCのドライバーをダウンロードしようと試みるがうまく行かず断念。(この間、既に自宅に着いていたOさんをパソコン通信に関し煩わせてしまいました。ごめんなさい。)
14時ころ、里美に戻り仮眠。

16時半ころ目が覚める。北の方が晴れ始めている。これはいけるぞ!ってなことで望遠鏡を覆っていたシートをはずし、撮影準備にかかる。佐倉のSRさんも来られた。隣で昨日から陣取っていたNさんとも親しい様子。我々を含め全部で8人くらいだろうか。
極軸望遠鏡の暗視野装置のボタン電池を入れ替えた。フィルムをFuji E200にして6×9カメラに装填。
極軸OK。電源OK。STVもOK。ポンプ、OK。ピントは?????

池谷・張彗星を探すが光度・高度とも低いためか見つからず。パソコン自動導入できないのが悔やまれるなあ。
昨日、できなかったM42を狙う。19時、空はまだ水戸方向が明るいが露出開始。
今夜は昨日より風も無く、昨日ほど寒いとは感じない。気温はマイナス7℃。
オートガイドのグラフ表示は振幅も少なく快調。
20時撮影停止。1時間露出。うまく写っててくれよ。

次はバラ星雲を。……
ガイド星が捕らえられない。キャリブレーションがうまくいかない。
Oさんに見てもらうが、時にキャリブレーションの結果表示が異常を示す。
Oさんの方もスカイセンサーのバッテリーが調子悪いという。
(里美近くで13日10:33震度5の地震あり……まさか前兆地磁気異常が影響していたのでは???)
結局、2時間程悪戦苦闘してガイドできるようになったけれど、空には雲が…………!?!?
i-モードで天気予報を見るために里川のほうに300m程行き、受信状態の良い時を見計らって接続する。里美はこの後も晴れる見こみはなさそう。撤収することにした。
Oさんはガイド星が見えているうちは続行する、とのことであったが、しばらくして完全に隠れてしまい中断。二人そろって撤収作業にかかる。時に時刻は23時ころ。
撤収・収納が終わって、夜食タイム。
Sさんの置いていってくれたアルミの風除けの効果があってか、今日は沸騰が早い。眼鏡が湯気で曇るくらい熱そう。ふーふー息を吹きかけながら「赤いきつね」を食べる。すべて片付け終わりお休みすることに。………
 
2月11日、曇。 朝餉をいただき帰途に着く。柏ICからの道をとり12時ころ染井野に帰着。
                                              以上